現在、米中貿易戦争は各産業へ、さらには各国へと広がっており、政治・経済上の立場選択や対策のほかに、産業界もサプライチェーンの分断・再編とリスク分散への対策を、迅速に実行可能な業務手法へと落とし込まなければなりません。この潮流はすでに猛烈な勢いで到来しているからです。
サプライチェーンの分散化と柔軟な管理は、従来のセットメーカー(中心廠)とサプライヤーのERPが当初想定していた背景とはすでに異なります。例えばAPPLEのサプライチェーンにおける相互依存や、地理的に近接して産業圏を形成する関係は、大陸(中国)において中国の国家チーム供給グループと台湾供給グループに分けられていきますし、米国が推進するフレンドショアリング(友好国)サプライチェーンもまた同様です。
ERP-SCMが変化するだけでなく、品質面においても、SQM(サプライヤー品質管理)は、現在の製品が少量かつ種類ごとに細分化されるという傾向のもとで、関連する付帯システムと対策をいっそう必要とします。そうしてはじめて、セットメーカーやブランド企業の厳しい要求に対して、相応に基準を満たし、かつコスト要求にも適合する実際の供給システムを提示できるのです。これにより互いが新たな戦略パートナー、さらにはより深い相互依存の関係を形成できますが、相対的にそれを実現できない企業は、淘汰されて日韓や東南アジアなどの国々に取って代わられる可能性が高いのです。
中方が数十年にわたり品質を深く研究してきた経験から言えば、次世代のSQMが時代の要請に応えるためには、いくつかの特徴を備えていなければなりません:
1、オープン性 – 各種ERPと接続できること。サプライヤーや製品などの基本データは必ずERPから生成されるため、オープンな連携プラットフォームが基盤となります。
2、痛点(課題)の解決 – ERP自体にも入荷モジュールやサプライヤー管理があるため、必ずしもアドオンが必要というわけではありません。しかし現在のサプライチェーン分断の状況に直面しても、多くのERPシステムはまだこれに対する対策を形成できておらず、対応できるシステムがあるとは言うまでもない状態です。私が考える最大の課題は、サプライヤーのCOAを自動検証できないことと、その付帯措置です。しかしこの課題を解決するには越えるべき関門が数多くあります。例えば、各サプライヤーの等級(動的)と製品種類(コア材料と包装材を同一基準で扱うことはできません)などに応じたシステム化されたサンプリングフロー(サンプリング計画にとどまらない)であり、これにGPDなどの有効期限文書管理、さらにはサプライヤー側監査などを結合して、有効なSQM管理システムを形成し、ERP全体の支払いや不合格品MRB、サプライヤー8Dの付帯措置と結びつけるのです。この一連の仕組みには、SPC統計、SQPのサプライヤーWEBプラットフォーム管理、サプライヤー監査SA、サプライヤーの一回限りの文書および定期的に監査が必要な文書などの管理が含まれます。さらには、突発事象に対するシステム的対策(ある地域で放射能汚染が発生した場合や、政治的決定によりある地域の工場が出荷停止になった場合の後続のバックアップ文書管制・管理など)にまで及びます。
3、柔軟性と合理的な価格 – リスクがますます大きくなり、ブラックスワンが頻繁に出没するためです。
分業と専門化がますます緻密になっている現在、一社がすべてを全面的に請け負うという状況はますます少なく、ますます難しくなっています。リスク分散のために供給を柔軟にしつつ一貫した品質を維持することは剛性的(必須)な要求となっており、システムに対しても同様です。同一の一社が統合・投資して売却するSQMの価格は往々にして数百万以上にのぼり、企業には負担しきれません。システムのサプライヤーを分散させると、管理上の難度が高くなるうえ、情報セキュリティの面でも一つの難題となります。そのため、コアデータは企業内部に置き、外部サプライヤーとやり取りするデータはクラウドに上げるということも企業の検討事項となります(もちろん安全性に問題がなければすべてクラウドに上げることも可能です)。専門的な数学モデルによる管理・制御とトレーサビリティシステムは、現代の情勢下で企業が準備しておくべき強力な武器です。
要するに、危機こそ転機であり、備えを怠らず適切に対応する企業は、スマート・サプライネットワーク管理のもとで優位に立ち、先頭を走ることができるはずです。台湾のメーカーの皆さんも、ぜひ前もって準備を整え、最良のビジネスチャンスをつかんでいただきたいと願っています。
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著者:Pei-Chi Chiu.初版公開:2022-12-30.種別:品質管理コラム
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推奨される引用形式:Chiu, Pei-Chi (2022). 「サプライチェーン再編と品質管理への対応戦略」. MiDFUN Quality Management Column.
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